「散髪前夜」 <おすすめBGM>DISENCHANTED/Everything But The Girl -AMPLIFIED HEART-
 誰にでも覚えがあると思うが、髪を切ろうと決意した翌朝は妙に髪型が決まるものである。昨夜はどんなにブラシを通しても強情なサイドの毛が足でも吊ったかのようにビーンと突っ張って、やればやる程イライラしたのに.....。ところがである  一夜明けてみると北欧貴族の王子様のように整ったヘアースタイルの自分を鏡の中に発見する。「なーんだ、このままでいいじゃん。」なんて思って髪を切らなかったりしちゃう。ここで騙されてはいけない。2、3日もするとまた元のシューベルト君みたいな頭になってしまうからである。”髪は長い友達”なんてチープなコマーシャルをしていたが、まさしく友達「人格を持った生き物」である。奴等は生きているのである。多分、奴等の中に大将みたいなのがいて髪の毛一本一本を支配しているのであろう。切られたくない奴等は主人の感情を察知し大将が指示を出す。「おーい、皆のもの聞けー!!ご主人様が髪型をを気にしていらっしゃる。フォーメンションQナチュラルヘアー作戦だー」とかなんとか言って、奴等一本一本が各々の型をつくる。「おーい、サイドの諸君!!ご主人様は君たちを大変きになさっておる。もっと気合いをいれろ〜ヨーソロ〜」そして見事、王子様ヘアースタイルを完成させる。恐ろしい事実である。このようなチームワークを維持するために日頃の努力も欠かさない。校庭10周を走ったり、時には輪になってフォークダンスなんていうのもある。朝の癖毛が物語っている。抜毛は大将に背いた罰として抹殺された髪の毛に違いない。抜毛が多いときは反体制派グループが一度に処分されたに違いない。ハゲた人は、かなり壮絶な権力闘争の末をものがたっている。人の頭の上で勝手にやっているからたちが悪い。これだけ科学が進歩していても未だ「髪の毛」に関してはほとんど何も解っていないそうである。人によって言うことがかなり違うそうだが、大将がいることは、また奴等が生きていることに間違いはないのである。そして散髪前夜大将はまた指令をだす。

 

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作:Grecoviche

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