「ダイアナさん」 <おすすめBGM>"ビョ-クのBachelorette by bjork in Homogenic"

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 何がどうと言う訳じゃないけど、無性に誰かの声を聞きたくなったり、誰かに会いたいと思う事があるんだ。君だってあるだろう?とにかくそういう時に限って相手は不在でさ、普段なら絶対しない『無言電話』を決め込んじゃうんだな、僕は。あれほど不快なものはないからね。ほんと正常時の僕だったら絶対やらないんだよ、あんなひどいこと。あんなことされたら誰だって寿命が縮まるってもんだよ。だってそうだろ?点滅しているボタンに期待を膨らませ、思いを馳せて押して返ってきた答えが日時を告げるオバさんの声のみじゃ何もヤル気なんておきないさ。そんな事をする奴は友達でも知り合いでもないね。“敵”だよ、気違いさ。とにかく僕もそういう気違いみたいに時々なって敵でもない相手に対して無言電話をすることがあるって言ってんだ。幻滅しただろ、僕のこと。だけど、そ-ゆ-人間だなんて烙印を押さないで欲しいんだ。そんなことをした後で仮に「お前、俺んちに昨日電話したか?」なんて聞かれてもね、その時は多分もう正常な僕だからきっと「いんや」と答えるだろうね。僕は気違いじゃないから&友達でいたいからね。そこの所だけ解っていて欲しい。そう、悲しくなった時の話をしてたんだった。悲しくなって、誰かの声が聞きたくなって電話して、大抵いないから「気違い」みたいな僕は無言電話をする。そしてその後だったね、その後は何故悲しくなったかの原因を考えるのだよ。「〜するのだよ」って話し方は好きなんだな。偉くなったみたいじゃないか。親と話をする時僕は「〜するのだよ」言葉で話すのさ。相手はイヤな顔をするけどね。この場合の相手ってのは両親のことだよ。でも、僕はとっても気持ちがいいんだ。それで、何かの回答を得ようとして考え込む時はその事だけを考えても答えは見えてこないものだから、僕は決まって大好きなあの娘の事を考えるのだよ。出会った日のことや、訳も解らずに泣かれたことや、一緒に食べたものや、まぁ、そんなことだよ。頭の中が幸せでいっぱいになるとね、僕はセクシ-な気分になって行くんだ。僕はあまりお酒は飲めないけど、お酒を飲んでもセクシ-な気分になるんだよ。セクシ-な気分に浸ると、僕は解放されて行くんだ。様々なアイデアが浮かび、得られなかった答えのようなものがふっと現われたり、時には行ったこともない場所や僕が生まれるずっと以前の出来事、と-て-生きてやしない先の景色まで見ることができるんだ。ただ、音楽がないとてんでダメだけどね。ただ腹が立つだけさ。音楽がセクシ-な気分を助長し、僕を拡張してくれるのさ。なんでもいいんだ、大好きな音ならね。今だったらビョ-クのBachelorette(Homogenic 4曲目)かなんかかな。ケミカルブラザ-ズのthe private psychedelic reel(digyour own hole11曲目)なんかでもいいや。それで今回、僕を悲しくさせた訳だけどね、ど-やら『ダイアナさん』らしいんだよ。彼女が悪いって言ってんじゃないんだ。いきなり「さん」付けで呼び始めた世間にがっかりさせられたのさ。僕は彼女の事は嫌いじゃなかったからね。好きって言わないところが僕の大人っぽいとこなんだけど。(Page.2へ続く)

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