「鼻の話(第一回)」 <おすすめBGM>I WILL SURVIVE/by CAKE/in Fashon Nugget

Page.2

 これは、『におい』の情報そのものが、元々1個という性質の為であると考える。またまた、なんつって。例えば、その家の中で放庇なされたとして、ケツメドから直に嗅いだのならともかく、家の中に居る以上庇のにおいは家のにおいと混じって当然である。しかし、我々は庇のにおいとして認識する。人間にとってのにおいとは、いつでも全体としての個であるということだ。。家のにおいも、様々なにおい、皮製品、夕べの残りもの、洗いざらしのシャツ、唐家具、雑誌、煙草等の集合である訳で、1つ1つ嗅ぎ分けられたら犬並みである。  
 ここで話題を変えてみる。レゲーと呼ばれる人がいる。彼等は臭い。とても臭い。他人にどう思われようと関係ない彼等にとって、清潔に保つ必要も気持ちもないのは当然のことである。また、彼等はその臭さを知らない。家のにおい同様、鼻は感知しなくなっているのである。さらにここで、不二子 F やH・G・ウェルズ を爽やかに吹っ飛ばす推論を展開してみる。
 今日のように風呂に毎日入る習慣はごく最近のものである。江戸時代でさえウチ風呂は一部の特権階級のものであって、庶民は大衆浴場を利用していた。それも毎日入る訳はなく、週に何度かの頻度であった。レゲーがそうであるように、当然臭い訳で、香を焚いても、におい玉を偲ばせても、消臭芳香剤やポプリ、コロン、ムシューダ、ヴァンシックスティーンがある訳もなく、皆レゲー並みに臭く、ましてやゴミや排泄物の処理方法も粗末な訳で、かなりの悪臭がしていたに違いない。それが都市全体に充満している訳であるから本当に想像を絶する。
 もし、僕等がタイムマシーンでこの時代に旅行したとして、そこの空気は血を吐き出すほど綺麗であろう(風の谷のナウシカ最終話参照)。しかし、その空気を吸い込む瞬間、想像を絶する悪臭で僕等は気絶してしまう。いや、即死するかもしれない。タイムマシーンを造ったところで歴史から拒絶されるのである。そんなものいらないって!何のこっちゃか?話はどんどん逸れて、鼻の話ではなく臭いへと続く。
 今度はトイレ。少し前まで中国のトイレ事情は旅行者を減らす大きな原因だった。友達も出来、親しくなり、家に招待することになって、ボットンというだけならまだしも、構造そのものが何百年も前のものと変わらないトイレを前にして、「君とは解り合えない」と怒って帰ってしまうというこの状況は、最初は招待した側(中国)は「何であいつあんなに怒ったん?」と、家族で首をかしげるものであったが、ラジオがテレビが、あらゆるメディアがバシバシ情報の地域格差をなくし、思考の均一化による『生活文化の変化』をもたらし、「よそん家のトイレは個室になってて、水で流すんだって」と気付かせ、よく考えて見たら家のトイレは変で恥ずかしいことなんだと思うまでに至らせる。ハーハー長かった。(Page.3へ続く)

<<<<BACK                  NEXT>>>>