「Bye bye my girl.(Part.8)」 <おすすめBGM>"We rule the school"/by "Belle and Sebastian"/in "Tigermilk"

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 授業は間もなく終わるのに僕は途中で抜け出した。その為かここに対する姿勢の現れか知らないがいつでも抜け出しやすい席についている事だけは今回は幸いした。途中退出に大した意味はない。僕なりの態度を示したかっただけだった。講師は僕の姿を確認した後またイヤミを言っていた。くだらないジョークだ。誰も笑わない寂しいジョークだと気づかずに。
 一階の自販機でレモンティーを買った。煙草に火をつける。落ち着いた所で考えてみると今日の授業にあの娘が来ていない事でイライラしていた事がほのかに判明した。自分の小心さに嫌気がさす。自販機からも新興宗教の入り口が見えた。街でみかけてもそれとは気づかない僕からしたらごく普通の人が中に入っていくのが見えた。大人になってもまだ真理を見つけられない事を不思議に思う反面、あの講師のジョークと重なり”寂しい”だけなんじゃないかとも思えてきてなんだか切なくなった。神様に対する僕と今井の見解は一致していた。”いる”でも”いない”でも”ない。いるんじゃないかな?”と思っている事だけが真実だということだ。だから商売が成り立っている。作用と反作用の中間で自分だけに都合良く考えれば良い。他人に勧めたらその時点で”いない”事になってしまう。
 辺りは真っ赤で僕はあの夕焼けの映えるあの道へと向かった。別に意味はない。もうすぐ授業を終えた生徒が教室から放出される。その前にこの場を離れたかっただけだ。あの娘と昨日歩いた道をなぞるように進だ。もう一服しようとした所で煙草が切れた事を思いだし、まわりを見回す。反対に面した所にちょうど煙草屋を見つけ横断歩道も無いところで車の切れ間を見計らって渡ろうとしたところでクラクションが鳴った。これからの行為が見透かされているようで心臓が一瞬驚いたが、見なれた赤い車が視界に入って安心した。今井だった。

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作:Grecoviche

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